空間系/非空間系

50 pears加藤の音楽ブログです。

2020年アルバム年間ベスト 邦楽編

お世話になってます。50 pears / corneasギター&ボーカルの加藤です。

今年も例によって年間ベストをやりました。今年で4回目です。

ここ数年は新譜をメモ帳に記録したりなんかしながら過ごしていましたが、今年は特にメモ帳が埋まる感覚がありました。自粛の一年だった分、好きな音楽をディグるのも捗ったような気がします。

去年までは、他の人のベストなんかもかなり参考にしていましたが、今年はほとんど見ていません。なのでよりパーソナルな選定になったかなと思います。

尖ったインディ、オルタナ、シューゲ、サイケ等が好きな人は楽しんでいただけるかと思います!

例の如く、邦楽洋楽16枚ずつ選んで、僭越ながら順位をつけています。この記事では邦楽の方の16枚を発表します。

それではどうぞ!

 

16位 BUCK-TICK - ABRACADABRA 

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独特なスタイリッシュさはそのまま、音が今風にアップデートされているような気がします。曲目は、V系のバンドらしく比較的ごった煮的ではあるのですが、ボーカルのキャラと音の緻密さで最後まで楽しく聴けました。『URAHARA-JUKU』、『Villain』がフェイバリットです。

 

15位 Eastern Youth - 2020

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一曲目の『今日も続いていく』は変拍子で取っ付きにくい曲なのですが、何度も聴きたくなる魅力があります。改めて思ったのですが、Eastern Youthの曲は頭拍を強調する、日本的な鈍臭いドラムのリズムが特徴だと思います。今作でもそのリズムと、非常にメッセージ性の強い純日本語の歌詞がマッチしていると思います。

 

14位 Helsinki Lambda Club - Eleven plus two / Twelve plus one

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ヘルシンキは、インディ風ではあるものの行儀良く収まっていてつまらないなと思っていたのですが、このアルバムは遊び心とオリジナリティがあっていいなと思いました。『IKEA』という曲を始めたし、アレンジが複雑な曲が多く、聴いてて飽きないです。

 

13位 井出健介と母船 - Contact From Exne Kedy And The Poltergeist(エクスネ・ケディと騒がしい幽霊からのコンタクト)

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謡曲・民謡的な要素とインディロックの組み合わせがとても好きでした。はっぴぃえんどっぽくもあります。『ロシアの兵隊さん』など、歌詞の題材としても面白いものがあってよかったです。

 

12位 THE NOVEMBERS - At The Beginning 

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ノベンバはずっと好きなバンドではあるのですが、ここ数年ギターサウンドを減らして、相対的に耽美さを強調する方針で、個人的にはあまりハマっていませんでした。今作も前作に続いて、打ち込みを使ったインダストリアル、アンビエント系の音作りではありますが、今作の方が打ち込みの音に迫力があって、アレンジに必然性を感じました。とくにリズムに特徴がある曲が多くて飽きさせない印象です。中でも『消失点』はビートの気持ちよさと展開の面白さがあって好きな曲でした。

 

11位 銀杏BOYZ - ねぇずっと大好きだよ

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前半、『SKOOL PILL』などかつてのセルフオマージュ的な曲もあるのですが、音が今までの銀杏の中でも特に洗練されているように感じました。ノイズを強調した路線は前作からありましたが、ノイズの中にもハイファイなバンドサウンドも混ざっていて、銀杏の世界観をうまく表しているような気がします。後半『生きたい』がかなり重たい楽曲で、通しで聴くのは至難の技ですが、銀杏好きとしては最後まで楽しめる内容でした。

 

10位 踊ってばかりの国 - 私は月には行かないだろう

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踊ってばかりの国も毎回いいアルバムを出していてずっと好きなバンドですが、今作もよかったです。オリエンタルなサイケ風の『バナナフィッシュ』から世界観に引き込まれますが、前半の『クロール』、『サリンジャー』はとても感動的な曲で、名盤を予感させます。スケールの大きなところと、手に届く身近なところを行き来する感覚は名ソングライターの特徴だと思っているのですが、踊ってばかりの国にもそれがあると思います。『ペット』という曲は身近な題材の曲ですが、視点がとても魅力的で、感動する曲です。

 

9位 downy - 第七作品集『無題』

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少し前、downyのライブで聴いた『stand alone』という新曲がとても印象的で、早く音源で聴きたいなと思っていたので、このアルバムに入っていてとても嬉しかったです。上半期、とにかく聴いたアルバムです。

上に挙げた曲は昔のdownyっぽい荒々しさがある曲ですが、一番気に入った曲は『good news』という曲でした。難解なリズムが癖になり、何回でも聴きたくなりました。

 

8位 サニーデイサービス - いいね!

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サニーデイサービスはそんなに詳しくはないのですが、このアルバムに関しては映像が浮かぶ曲が多くて良かったです。あたかも自分がドラマの主人公になったような錯覚に陥りました。暗い気持ちになりがちな今年は、このアルバムのちょっと浮かれた雰囲気がとてもありがたかったです。

 

7位 Boris - NO

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Borisは陰鬱なポストロックというイメージがあってあまり聴いていなかったのですが、この作品はめちゃめちゃ素晴らしかったです。ドタドタしたドラムにメタル風のギターソロが入る展開は、X JAPANや近年のDIR EN GREYを連想したりもしました。

また、Borisは今年出たMerzbowとのコラボ版もとても良かったです。また昔の音源も聴いてみようと思います。

 

6位 水いらず - ほとんど、空

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水いらずは、一度50 pearsで対バンしたことがあります。洋楽インディの影響がありながらも、世界観をもった歌声と、引き算的な美学があるアレンジが特徴です。今作は、Lanesの田村さんが関わっているとのことで、尖ったインディといえば、万全の信頼をおけるメンツです。音源としても、どの曲も展開が練られていて、8曲ながらも満足感がありました。特に『午后の世界』という曲が良かったです。

 

5位 突然少年 - 心の中の怪獣たち

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突然少年は少年漫画的なカタルシスをもったオルタナバンドで、ギターのカニユウヤをはじめとし、全員が個性を持っています。特にライブに力を入れていて、ライブ録音の音源をNumber Girlばりに多数出しています。僕も何度もライブを観ていますが、今回のアルバムでは初めて聴いた曲もたくさんあり、突然少年の底力が見れて嬉しかったです。特に一曲目の『青空』は名曲です。

 

4位 KOHH - worst

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KOHHは一曲一曲の強さだけでなく、アルバムごとにカラーが違うのも特徴です。去年のUNTITLEDはKOHHの鬱々とした側面が出ているアルバムで、こちらも名盤でしたが、今年のworstもそれを凌ぐかもしれない名盤だと思いました。今回のアルバムは、一言で言うと「赤裸々」という感じで、KOHHの恋愛観や人生観がこれでもかと表現されています。かと言って小さくおさまった感じはなく、むしろ普遍的で哲学的なテーマなんじゃないかと思います。今作でKOHHは引退を表明していますが、今作はそれを除いても魅力が詰まったアルバムになったと思います。

 

3位 石原洋 - formula

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石原洋さんはゆらゆら帝国サウンドプロデュースなどをやっていた方で、BorisOGRE YOU ASSHOLEなども手掛けてるそうです。この作品は23年ぶりのソロアルバムとのことですが、非常に感動的なアルバムでした。

構成としては、ノイズや雑踏のトラックの向こうにバンドの演奏が微かに聴こえるという20分ほどの楽曲が2曲入っているという尖った構成ですが、その尖り具合とは裏腹に、懐かしい記憶を想起させる感動的なアルバムになっています。

 

2位 ニューヤナセ - 明晰夢

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ニューヤナセは今年発見した女性ボーカルのインディバンドなのですが、この1stアルバから才能が溢れまくっています。音楽性としては、CrumbやNo Vacationのようなシンセが入ったメロウなインディという感じで、そこに可愛らしい女性ボーカルが乗っています。ボーカルの今夜かなこさんはゲーム音楽にも影響を受けているとのことですが、確かに、切ない胸を打つメロディはファミコンレトロゲームのようでもあります。『メロン』という曲が特にオススメです。

 

1位 ゆうらん船 - MY GENERATION

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ゆうらん船の1st フルアルバムを1位に選ばせていただきました。こちらは系統でいうとDirty ProjectorsやFleet Foxesのようなフォーク系のインディに近いのかなと思います。音も最高に良いです。

また、楽器と歌のメロディの噛み合わせもとても良く、音に無駄がないように感じます。各曲の中でも構成が複雑で、かつアルバム全体の構成としても、最初から最後まで緊張感があって飽きさせない構成でした。

 

 

ということで、以上で年間ベストを終わります。勝手に名前を出してしまった皆さんすみません! それでは良いお年を〜!

新譜から見るHYUKOHのSuchmosっぽさ

HYUKOHの今年出た新譜が、新機軸であり、かつとても良かったのでレビューします。

 

僕が最初に知った時(2016年くらい)のHYUKOHはカッティングを多用するグルーヴィなインディロックって感じでした。ちょうど日本でもD.A.N.とかミツメが流行り始めていて、演奏技術がある人たちがクリーンな音でタイトなリズムで音を鳴らす格好良さは国境を越えるものだなぁと思った記憶があります。あとで知ったのですが、この頃のHYUKOHを紹介するネット記事なんかを読むと、「韓国のSuchmos」とか言われてたりしています。確かにシティポップ・ネオソウルといったジャンルの先駆者であり、また売れるまでの勢いの凄まじさには似たものがあります。

そのあと2017年にアルバム「23」、2018年にミニアルバム「24 : How To Find True Love And Hapiness」を出しますが、その頃にはかなりインディロック色は薄くなって、万人ウケする方向に進んだなという印象でした。特に「24」はかなりとっちらかった印象のアルバムで、リードトラックのひとつLove Ya!は壮大なコーラスワークのバラードという感じで、かたやCitizen Kaneはハードロック風の高速のナンバーでした。アルバムを通した音作りとしても、プログレっぽい部分やサイケっぽい部分もあり、正直何をやってるのかよく分からないという印象でした。

当時の僕は、売れた結果、大物バンドっぽくバリエーション豊かなアルバムを出したんだなくらいに考えていて、正直前の方が好きだなという感想でした。

そして今年に入って出したミニアルバム「through love」ですが、これはボサノバ色が強い、全く別の方向に進化したアルバムです。ただ今回のアルバムはとっちらかってる感じではなく、現代的なインディミュージックとのミックス感が絶妙でした。「Hey Sun」では柔らかい音像の中にファズ風の荒々しいリフが重なり、また最後のトラック「New born」では平坦なリフの繰り返しの後にディレイの発振を使った長いインプロ部分があります。

また、前作からあったプログレ・サイケ的な音作りですが、今作でははっきりと60年代リスペクトなんだと分かりました。それを踏まえて改めて前作を聴くと、露骨にビートルズっぽい部分もありました。今思うと、前作はこの絶妙なミックス感に至るまでの過渡期だったのかもと思います。

ここで、僕は去年出たSuchmosのアルバム「The Anymal」を思い出しました。Suchmosも、散々売れた後に誰に頼まれてもないのに60年代のサイケやブルースのリスペクトにあふれたアルバムを作ったわけです。偶然にもHYUKOHとSuchmosは、国は違えど、似たような道を歩んでいるような気がします。

彼らの姿勢は、売れてから徒らに音楽性を広げたわけではなく、一旦基本に立ち返り、音楽へのリスペクト、そしてギターやベース、ドラムといった楽器へのリスペクトを思い出して一から歩みを進めようという姿勢に感じます。音楽性を変える・広げるバンドは数多くあれど、この2バンドはその根本にある哲学が似ているように感じたので、こういう題名でブログを書いてみました。

 

気になった方はどちらのアルバムも是非聴いてみてください。

 

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2019年アルバムベスト

今年も例によってアルバムランキングを出しました!

毎年これは意味があるのかとかつらつら考えながらも12月になるとアルバムを聴きまくり、メモ帳に羅列したアーティスト名をせっせと順番を入れ替えたりしながら過ごしています。

確か最初は2015年末にサークルの先輩が年間ベストをツイッターでやってたのを見て、この文化を知ったんだったと思います。

その時の先輩の一位は確かOneohtrix Point NeverのGarden of Deleteだったと思います。僕は当時洋楽もそこまでは聴かず、ロック以外の音楽は特に聴いてなかったので、先輩の見てる世界が異次元のように見えて、何故かすごい焦りを感じ、ランキングの曲を聴き漁った記憶があります。

その年からなんとなく今年聴いた4枚をツイッターにあげるくらいのことをし始め、2017、2018には本格的にその年の音楽をまとめるようになりました。

 

毎年考えてはいるのですが、僕なりのランキング行為の意味づけとしては、

 

・その年がどういう年だったのか後で個人的に思い出すための日記代わり

・自分の音楽の聴き方の可視化(特に他の人と比べて)

・新しい音楽を聴くことのモチベーション作り

 

くらいに考えています。僕はヒットランキングを上から聴くような聴き方はしてないので、自分のランキングは世相を反映するものとは全く思っていません。よく「今年はヒップホップが豊作で〜」「今年は◯◯の年でした〜」的な所感を書く人がいますが、そういうのはオリコンや大手レビューサイトがやればいい話だと思います。どういうまとめ方するにしろその人の聴き方のクセがでるものだし、そこが面白いところじゃないんですかね。

 

さて、僕の今年のランキングはこんな感じでした。去年より一枚ずつ増やして今年は邦洋16枚です。

邦楽

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サカナクション

おとぼけビ〜バ〜

KOHH

CHAI

BUMP OF CHICKEN

きくお

踊ってばかりの国

OGRE YOU ASSHOLE

ナツノムジナ

Suchmos

ナードマグネット

South Penguin

AAAMYYY

kumagusu

ミツメ

柴田聡子

 

洋楽
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Crumb

Deerhunter

Mac DeMarco

Cate le Bon

American Football

Thee Oh sees

Flying Lotus

SASAMI

THE GET UP KIDS

Omni

Vs colour

Corridor

Drahla

Julian lynch

Jay Som

Stella Donelly

 

サカナクションはアルバムをかなり待たせていた上に、公開された収録曲が既存曲ばかりだったので期待してなかったのですが、結果的には「サカナクションらしさ」が存分に出ててめちゃくちゃ良かったです。

おとぼけビ〜バ〜は海外で人気とのことでツイッターでたまたま知ったのですが、アルバムを通してワンイシューな感じにパンクらしさが溢れていて良かったです。CHAIもほぼ同じ感想ですね。さらにどちらも演奏の良さがありました。

6位のきくおは、初音ミクを使ったDTM系のアーティストの方ですが、ビートミュージックっぽい感じもあり、音作りも独特で、是非色々な人に聴いてもらいたいミュージシャンです。毎作新譜が出るたびにチェックしているのですが、今作は特に終わり方の潔い感じと、歌謡曲への接近もあり琴線に触れるポイントが多かったです。

Suchmosの新譜については、「新境地、意欲作」的な触れ込みを見て一度聴いてみたもののなんとなく興味がないと感じて放置していたのですが、今月改めて聴いてみたところ何故かハマってしまいました。オールドなロックに原点回帰する姿勢自体はそこまで珍しいことでもないと思いますが、サチモスは根っこにあるサチモスらしさを変えずに音楽性だけをより本質的なところにシフトしたような感があり、好印象でした。

また、今年はナツノムジナ、South Penguin、kumagusuなど、ライブを観に行って好きだった東京のインディーバンドが次々とアルバム単位でリリースをしてくれたのでテンションがあがりました。来年は50 pearsも頑張らなければな、と思います。

 

その他邦楽で迷ったところとしてはNot Wonk、Tempalay、カネコアヤノ、ROTH BART BARON、ジェニーハイなどが良かったです。

ジェニーハイは有名人の寄せ集めで組んだ企画バンド的なバンドですので、アルバムが出るというだけで正直すごいと思いました笑。それに加えて、各メンバーの個性がそれなりに出ていて、完成度も高めだったと思います。ランキングには入れませんでしたが一聴の価値はあると思います。

 

洋楽の方ですが、今年初めて知ったCrumb、Cate le Bonの2組は好みどストライクの素晴らしいアーティストだと思いました。またDeerhunter、Mac DeMarco、アメフト、Flying LotusThe Get Up Kidsなど愛聴している大物アーティストも新譜を出してくれました。単にアーティストに対する好み以上に、それぞれ作品に好きなポイントがありました。

11位のVs Colourというアーティストですが、ロスのバンドらしいこと以外ほとんど情報が出てこないのですが、ポストパンク・ニューウェーブ的要素とファンク要素が重なっていて最高でした。一部の曲ではかなり長尺のインプロ的な要素があったりするのですが、緊張感が途切れることなく続いて素晴らしいです。ザゼンボーイズなんかにも通じるところがあるとも思います。

また、Real EstateのギタリストでもあるJulian Lynchの新譜ですが、割とロック的なアプローチではあるものの、エレクトロニカ的に生楽器を使っていたのが良かったです。

その他迷ったところとしては、Men I Trust、Deliluh、RIDE、King Gizard and the Lizard Wizard(1枚目)、Chestity Belt、DIIV、Whirr等があります。

インディ系ではJay Somとステラドネリーの二組をランキングに入れましたが、Men I TrustやChestity Beltも入れたいと思ってめちゃめちゃ悩みました。ここら辺は正直差別化は難しいですが、その中でも比較的メッセージ性が強いアーティストを上位に入れようと思った結果こういう感じになりました。

DIIVとRIDEは、どちらも一度大売れしたバンドの新境地的な一作ですが、そういう試み自体は嫌いではないものの、いまいちその変化に芯を食ってる感がない印象を持ってしまいました。

 

また、毎年EP・ミニアルバムをどう扱うかについては悩んでいるのですが、今年はEP・ミニアルバムは除いて考えています。同じく完成度が高い音源だったとしても、単純に考えて曲数が多い方が価値が高いと思っています。ただ、No VacationのEPはめちゃくちゃ良かったです。また、身近なところではありますが、The WaterfallsのEP2枚とClematisのEPは素晴らしかったです。

 

 

以上です〜。

 

 

豊洲ナンバガ感想

先週日曜、豊洲PITでナンバガのライブを初めて観たので感想書きます。

とても好きなバンドの一つなのですが、最近はあんまり聴いていないということもあり、個人的にはそこまで神格化もせず、割と普段通り観れたと思います。始まる前には2杯ビールを飲みました。

セトリやMCの詳細については詳しく書いてるサイトがあるのでそっちを見てください。向井はザゼンで何度か見ているのでいつも通りというイメージでした。レモンサワーっぽいものを飲んでいました。若干ザゼンの時よりは改まっていた印象です。ナカケンはデカかったです。ひさ子とアヒトは初めて見たのでおお…本物だって感じでした。

曲の前には、ほとんどの曲で向井のMCもしくはアルペジオもしくはアヒトの掛け声カウントが入っていて、ほとんどイントロクイズでした。曲間を繋げて演奏することはなかったと思いますが、毎曲ごとに高揚感と期待があるので最後まで飽きませんでした。改めて考えるとナンバガって長い曲があんまりないですよね。ジワジワ少しずつ展開していって高揚感を高めていくというよりは、一瞬一瞬の音を緊張感をもって鳴らして、緊張と緩和を短いスパンで繰り返してるという印象でした。コントか漫才かで言ったら漫才に近いライブだと思います。

また音に関してですがほぼほぼイメージ通りの音色と音量でした。音量は2時間のライブにしたらデカイなぁとは思いますが、常識的な音量だったと思います。向井のギターとひさ子のギターの音量は同程度でした。向井の方は高音がかなりキツめでした。アヒトは予想より若干おとなしかったです。また声は全然小さくなく普通の音量で、ショートディレイ的なエフェクトもほとんどかかってなかったと思います。

 

僕は95年生まれでナンバガは小さい頃に解散しているので、当時の空気感は分かりません。一応ライブ盤はかなり熱心に聴いているので、ライブの雰囲気についてはある程度把握していたつもりですが、それでもライブを観終わった時には、いくつか予想と違うというか、印象がアップデートされた点があったので、列挙すると、

 

オルタナであることが強調されがちだが、ライブではエモ・ハードコア的な要素も強く感じた

・独特な音楽というよりはむしろ、かなり如実なルーツ感を持ったバンドだと感じた

・重たくない、むしろインスタントな盛り上がり感を持ったバンドだと感じた

 

といった感じです。

音源だとひさ子のギターの鋭さやボーカルの小ささ、また歌詞の文学性が強調されがちですが、実際はかなり分かりやすいカタルシスを持ったバンドなんだと思いました。演奏としては、普段見ているようなよくある4ピースのバンドの延長線上に十分存在しうるものだと思います。また、拳を突き上げてシンガロングしたくなるような場面が何度も、何度もありました。

また、ラストライブの真剣なMCの印象が強かったせいかシリアスなイメージが強かったのですが、非常に肩の力が抜けた柔軟なライブだったように感じました。お酒を飲んで、自由に体を動かす見方が合うようなライブでした。もし解散前の時代に自分がこの年齢だったら、足しげく通っていただろうと思います。

違うバンドで例えると、ちょっと違うかもしれませんが、ナードマグネットとかを観てる感覚に近かったかもしれません笑。いい意味でレジェンド感がなかったように思います。

 

 

以上。